"お金"について…2

2022年05月01日

「お客様は神様です!」って

よく聞く言葉ですけど

ずーっと違和感があったんですよね〜

それってホント?!って…



だって…

オカシイと思いませんか?

たとえば一杯のラーメンでも

店主がどれだけの苦労と時間とお金をかけて

その一杯のラーメンの味にたどり着いたのか…?

自分は

その味が食べたくても自分では作れないから

お店に食べに行くわけで…

「あ〜美味しかった!ごちそうさま!ありがとう!」

でしょ?!

そのお礼の気持ちを「お金」で支払っているのだと

私は思うんですけれど…

どう思いますか?



そりゃ店主からしたら

「食べに来てくれてありがとう!」

という姿勢は大切でしょうけれど…

でも、だからと言って

「お客様は神様です!」と

なんでもお客さんの言う事にひれ伏して

頭を下げるのは違うんじゃないか?と…

飲食業でもサービス業でもなんでも

同じだと思うんですよね〜

「俺は客だぞ!客のいう事が聞けないのか!?」

みたいなのは、さすがにオカシくないですか?




でね…

少し前に調べてみたんです

そしたらやっぱり!!




ところでこの言葉

どなたの言葉かご存知ですか?

そうです!三波春夫さんの言葉です

でも、世間で思われている意味とは

ちょっと違うんですよ…



三波春夫さんのHPを

ぜひご覧になってみてください↓


https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html







「お客様は神様です!」とは

お客様は神様なのだから

何でもお客様の言う通りにしなくてはならない

という意味ではなく

お客様を神様と見立ててその場に臨む

という心構えや姿勢を言っているのだと

私は理解します

誠心誠意、いかに純粋な心持ちで臨むか

ということなのだと…




室町時代の蓮如上人(本願寺第8代)は

「かみにもなれては

 手ですべきことを足でするぞ」

とおっしゃっていたそうです


人間は馴れてしまうと

乱雑にしてしまう心があることを

見抜き、戒めていらっしゃる言葉です







でもこれは、もしかすると

そういう"場"に立つ仕事をしている人にしか

なかなか理解するのは難しいこと

なのかもしれませんね・・・


野球をやったことのない人間には

バッターボックスに入る緊張感が

わからないのと同じように…




もしもこれを理解できない人が多いのなら

それは…

いかに現代の世の”仕事”というものが

人と相対することのない"仕事"になっているか?


もしくは


現代の人間の"想像力"が欠如している

ということなのではないでしょうか?






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【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄