謹賀新年

2022年01月01日

謹賀新年


謹んで新年のご挨拶申し上げます



大晦日

ゆく年くる年を見ながら…

令和3年はどんな一年だったかなぁ

と思い返していました…

皆様にとっては

どんな一年でしたでしょうか…?




一心寺では

毎年元旦は朝7時から

修正会(しゅうしょうえ)という

新年の勤行を勤めています

正信偈を勤めた後

参加者はみな

一人ずつ新年を迎えた気持ち

年頭の抱負を述べるのが

慣習となっています

今日も皆さまそれぞれに

お話いただきました






わたしは…というと

昨年はなんだかわからないままに

一年が過ぎてしまったなぁと…

そこで思い出したのが『波紋』




以前、とあるお寺の縁側で

そのお寺のご住職と鹿威し(ししおどし)を

眺めながら話していたときでした

鹿威しの竹が傾いて水が流れた後

カコン♪と竹の筒が元に戻ると

竹の先から一滴の水が落ちる…




すると

水面に落ちた一滴の水から波紋が起こる

その波紋は臼の中央から端に向かって

広がっていく…

しかし水は臼からこぼれずに

波紋はまた中央に戻ってくる…

いったん中央に戻った波紋はまた

臼の端に向かって広がっていく…

すると今度は臼の端から少しの水がこぼれる…





カコン♪と鹿威しが鳴るたびに

これを繰り返すのです…

おもしろいなぁ〜

不思議だなぁ〜

と眺めていました

その時にふと

あぁ〜

人生もそういうものかなぁ〜

波紋が広がっていく時は

外に出て

新しい世界に踏み込んだり

新たな出会いがあったりする時



波紋が中央に戻っていく時は

内に籠って自分を見つめ直す時

エネルギーを溜める時



そしてもう一度波紋が広がっていくと

水が溢れ出して

なにか大きな出来事や出会いが生まれる時

それを繰り返すんだなぁ〜

今までを振り返っても

まさに波紋のような人生だったなぁ〜

それをこれからも繰り返すんだろうなぁ〜

と思ったことを思い出したのでした…





今年はまだ私にとっては

エネルギーを溜める時なのかもしれません…

二度とない一日一日を大事に過ごしたい

そしてなにかを創造していくエネルギーを

溜めたいなと思った大晦日・元旦でした




本年もどうぞよろしくお願いいたします

謹賀新年

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【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄