2024年09月18日
むかし むかし
山の中に
サル・イノシシ・ウサギが
仲良く暮らしていました
ある日
一人の老人がお腹を減らして
山の中をさまよっていましたが
ついに力尽きて腰を下ろし
歩けなくなってしまいました
動物たちは
老人になにか食べさせてあげようと
みんなそれぞれに
食べ物を取ってくることにしました
しかしウサギは
老人にあげるものがなにもありませんでした
そこでウサギは火を焚いてもらい
「おじいさん、わたしを食べてください」と
炎の中に飛び込んだのです!
老人はたいへん驚いて
あわてて炎の中からウサギを抱き上げました
ウサギを抱いた老人は突然と姿を変えました
実はこの老人は帝釈天という神様で
動物たちの心が知りたいと
人間の姿になって山をさまよっていたのでした
帝釈天は
「あぁ なんと愚かなことをしてしまったのだろう
これほどやさしい心で動物たちは暮らしていたのか…
悪いことをした 許しておくれ」
と言ってウサギを抱いたまま天に昇って行きました
そして
ウサギのやさしい心をいつまでも
すべての生き物が忘れないようにと
みんなが見える月に連れて行ったのでした
おしまい
だいぶ端折って書きましたので・・・
動物の種類とか詳細は諸説ありますので・・・
細かなところはお気になさらず・・・
このお話を聞いたのは
幼稚園の時でした
何となぁ〜くの薄い記憶ですが
先生がお話してくれたのを覚えています
このお話はジャータカ物語という
お釈迦さまが
人間に生まれる前の説話の一つです
なぜウサギなの?
誰が火を起こしたの?
帝釈天って酷くない?
神様ならわざわざ降りてこなくても
動物たちの様子見れるんじゃない?
帝釈天て仏教じゃなく
ヒンドゥー(バラモン)教じゃない?
などなど…
いろいろとツッコミどころはあるかと思いますが
インドにはずいぶん古くから伝えられているお話
なのだそうで…
ちなみに
「月にウサギがいる」と言うのは
日本だけじゃなくスリランカでも言うそうです
以前スリランカ人がそう言っていました
まぁ仏教が伝わっている国では
ジャータカが伝わっているでしょうから
そう言うのかもしれませんね!?
兎にも角にも
何が事実かと言うことより…
月を見て
「クレーターがキレイに見えるなぁ」
と言うより
「ウサギさんがキレイに見えるね〜!」
とお月さまを眺めた方が
幸せな気持ちになれません??
今日が満月だそうです!!
【2023年】
【2022年】
【2021年】
前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。
1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員