まもなくお彼岸

2023年09月07日

まもなくお彼岸



今日は祖父(一心寺開基住職)の命日です

近頃朝の空気がずいぶんと
爽やかで涼しくなりましたね

間もなくすると
彼岸花が咲き始め
お彼岸を迎えますね


お彼岸とは
彼の岸(向こう岸)という意味です
私たちの生きるこの世は此岸(しがん)

太陽が真西へ沈む春分・秋分
すべての命はみな
西(西方浄土)へ還っていくという
仏教の教えと相まって
お彼岸を宗教的行事として
営んできたのでしょう

まもなくお彼岸




さて浄土真宗では
「ひがん」といえば
「悲願」と書く言葉もあります

阿弥陀如来の「願い」です
私たち人間の
あさましさ・愚かさを
「悲」しみながら
「救いたい!」「救いたい!」
と願ってくださっている仏心を
「悲願」と言います


「暑さ寒さも彼岸まで」
という言葉の通り
本当にお彼岸を境に
季節が変わりますが
これも日本ならではの事

四季がこれほどはっきりと変化し
食物や植物も気候も景色も
季節によって変わる・・・
生きているこの世界のすべてが
「無常」を教えてくださっている
そして「生」を堪能させてもらえる

なんてありがたいことかと思います

大陸から伝えられた仏教も
知識よりも
自然の中での生活の感覚として
理解され受け入れられたのだろうと
想像します


そして縄文時代が争いもなく
1万5千年以上も続いたことに
納得できます


「日本はオワコンだ!」
なんて言う人もいらっしゃいますが
日本に生まれて
日本で生活していることが
どれほど有り難く
感謝すべきことであるのか・・・


今日一日
なんて素敵な景色だ
なんて美味しい食物だ
なんて素晴らしい一日だ
そんな感覚を大事に生活したいものです







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【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄