知識ではなく・・・つづき

2023年04月22日

知識ではなく・・・つづき

前回のブログの補足です





私がまだ20代の頃

「仏法は食べるもんだ」

という米沢英雄さんの言葉に出会いました



本で読んだのか誰かに聞いたのか

前後の文脈も覚えてはいませんが

強烈に記憶に残っている一言です





ものを食べると消化して

栄養は身体に吸収されます




仏法も同じように

聞いたことや得た知識は

消化されて腹に落ちてこそ

栄養になるものだと思います




そこで大事なことは

消化すること

よく噛んで(よく考えて)

消化する(理解して腑に落ちる)こと

だと思うのです




本を読む時には

読み進めることに

意識がいってしまいがちです

わからない言葉や単語を

一つ一つ意味を調べていくことは

少ないのではないかと思います・・・

専門用語が多用される仏教書は特に・・・




食べものも

消化しきれないものは

消化不良となって流れてしまいます

それと同じように

たくさんの本を読むよりも

一冊の本をじっくりと時間をかけて

何度も何度も読み返すくらいでないと

消化するのは難しいと思います




なので

生身の人間の語る言葉を聞いて

仏法に触れていただくのがよろしいかと・・・

その方が

わからないこと(言葉)も

すぐに尋ねることもできますからね・・・



また

言葉も方便(何かを伝えるための手段)ですから

一つの言葉も

発信側の意図していることと

受信側の理解にズレが生じることがよくあります

一人で読書していて

それに気が付くことや正すことは

到底至難の業だと思います




ということからも

ぜひぜひ法話の席などに

ご参加いただけたらなぁ〜

と思うのです











知識ではなく・・・つづき


まぁ私の経験上の話ですけどね・・・(^^;;

読書は私も好きなので

決して否定はしませんけど

特に仏法においては

そこに身を置いて

ゆっくりじっくり考えて

自己を見つめることが

大事だと思います






今でこそみんな字が読めますが・・・

ちょっと昔まで

字の読み書きなんてできない人々が

ほとんどだったわけで・・・

それでもちゃんと仏法を理解して

伝え残したくださったことを考えると

「仏教書」を読むことは

そんなに大事なことでは

ないかもしれませんね(^^;)



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住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄