ヘンなはなし (宗教リテラシーVol.5)

2022年09月27日

ヘンなはなし (宗教リテラシーVol.5)





ヘンなはなし(宗教リテラシーVol.5)


〜葬送〜






今日は

安倍元首相の

“国葬”が行われましたね

賛否両論

それぞれの立場で

いろんな意見が

あると思いますが・・・







たくさんのキレイなお花が

飾られていましたね・・・

いったい何本くらいあったのでしょう?

少し前に東京の知人が言っていました

「最近菊が手に入らない」と・・・

今日の国葬のために

流通が制限されていたのでしょうか・・・?







ヘンなはなし (宗教リテラシーVol.5)






さて・・・

4万年ほど前に絶滅した

といわれる

ネアンデルタール人の

人骨が発見された場所には

たくさんの

花粉が見つかったそうです





これは

死者を埋葬し

花を手向けた痕跡だと

考えられるようです






そんな大昔から

命終えた人を送る葬送が

行われていたのですね

興味深いですね





しかも

ネアンデルタール人は

私たち

ホモ・サピエンスとは

異なる人種ですからね・・・

おもしろいなぁ〜

と思いませんか?








現在でもお葬式の時には

当たり前のこととして

花を手向けますね

棺に入れて

一緒に火葬していますが





あなたはなぜ

どんなお気持ちで

「お花」を手向けていますか?








そもそも

なぜ「花」なのでしょう?

きれいで美しいから・・・?

だとすると

ネアンデルタール人も

私たちと同じように

「花」を

きれいで美しいものだと

見ていたということでしょうか・・・?





それとも

花は一度枯れても

時期が来れば再び花を咲かせる

または種子を飛ばして

新たな命を生み出す・・・

そういう

“命の再生”の象徴と考えて

花を手向けていたのかもしれませんね






一緒に生きた仲間が命を終えても

再び生まれてくることを願って

花を手向けていたのかもしれませんね




研究者ではないので

私の想像でしかありませんが・・・






いずれにせよ

「死」という

理解の及ばない現象に対して

何かせずにいられない心があった

のだろうと思います







また

身体を動かして踊ったり

声を上げて歌を歌ったり

儀式的なことも行われていたと

考えることもできると思います






動物でも

家族や仲間が命を終えたときには

傍に寄り添って鳴いていたり

亡骸の我が子をいつまでも抱いている

そんな姿を見ることができますから

脳が発達した人類は

葬送の際に

何かしらの儀式を行っていたと

考えることも

容易に想像ができますね








命終えた人(または動物)

に対して

何かせずにいられない心

それが葬送の儀式の

原点であると思います





そして日本人の興味深いところは

“人形供養”や”針供養”などのように

“モノ”に対しても

そういった儀式をせずにいられない

心があるということです・・・

おもしろいというか

興味深いですね〜









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【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄