自死について

2022年05月12日

自死について

自死について

昨日、悲しい報道がありました

上島竜兵さんが自死されたと…

子どもの頃から

お笑い番組を見るたびに

たくさん笑わせてもらいました

とても残念です

そして、ご遺族の方々のご心痛を

拝察します








ご本人には

そうせずにはいられない理由が

あったのだと思います

そのお気持ちや体調を

尊重することがとても大切だと思います







自死について


私は自死遺族の方限定の

追悼法要や分かち合いの会に

宗教や宗派を超えた有志宗教者とともに

2009年から活動してきたのですが

これまで教えられてきたことは




「どうして?」「なんで?」と

自死の理由や原因を追求しても

ご本人に聞いてみないとわからない

ということです




たとえ遺書があったとしても

多くの場合

自死の理由は一つではありません

いろいろな理由

さまざまな原因が

複雑に絡み合って自死に至っているのです





遺された人は

理由や原因を知って落ち着きたい

と思うものですが…

それはやっぱりわからないのです…






また

ご遺族(家族や近しい人)は

「どうして気づいてやれなかったのか?」

「どうして救えなかったのか?」と

自分を責める自責の念が起こってきます…

でも

ご本人は家族や近しい人にはなおさら

心配かけたくないと

悩みや苦しみを打ち明けずに

黙って過ごしていたりするものですから

できるだけ

ご自身を責めるお気持ちを

「いっしょにいてくれてありがとう」

という感謝の念に転換していただけたら

と思います

もちろんすぐにはできないとは思いますが…

その方が亡き方も喜ばれるのではないかと…







感情は

他者にはわからないのです

多少の理解や共感することはできても

身体が一つになれないのと同じように

心も一つになることはできないのです

どれだけ近くにいても

どれだけ愛していても

わからないのです…

その人にしかわからない苦しみを抱えて

生きているのが人間です






だからこそ

尊重し合い

この世で出会えたこと

いっしょに過ごせたことを感謝して

お別れされることを願っています






上島竜兵さん、ありがとうございました

バックナンバー

【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄