お盆日替わり法話④

2021年09月06日

お盆日替わり法話④



お盆の法要最終日(15日)は

「万霊(ばんれい)の日・終戦の日」

としても勤めています




亡き祖父は以前…

「どうして”終戦”というか知ってるか?

“敗戦”と言いたくないから”終戦”と

言ったんだ」

と父に話していたそうです




私はもちろん”戦争”を知らない世代

でも昭和天皇のお姿はよく覚えています

園遊会などで国民の話を聞く度に

「あぁ、そぉ… あぁ、そぉ…」と

口癖のようにおっしゃっていました

子どもの頃の私には

お歳を召された天皇陛下のそのお姿は

「ちゃんと話聞いてんのかな?」

とも思えたものですが…




大人になって

カウンセリングや傾聴ということを学び

そうか!そういうことだったのか!

と気づきました

それは・・・

「あぁ、そぉ…」

それは否定も肯定もしない言葉

耳を傾けて

相手の言葉をそのまま受け止める姿勢

つまり

国民の言葉をそのまま受け止めて

いらっしゃった姿だったのだと…




太平洋戦争はもちろん

高度経済成長と

凄まじくめまぐるしい時代

国民の悲しみや喜び、後悔や希望

あらゆる声を

天皇陛下というお立場で

耳を傾けてすべてを受け止める

そういうお姿だったのだなぁと思います






「慈悲(じひ)」

それは仏さまの

「慈しみ」の心と「悲しみ」の心を

表している言葉ですが

「悲」は言葉にならない言葉

「あぁ…」というような呻きを

表しているのです




目の前で大切な人が本当に苦しんでいる

辛い思いをしているのに

自分には何もできない

何もしてあげられない

そんな時に思わず出る

「あぁ…」という呻きです





天皇陛下の

「あぁ、そぉ…」の一言には

とても深い意味があったのだなぁ

と思うのです…





お盆日替わり法話④

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