今月の勉強会

2021年07月02日

今月の勉強会


【法句経 九十八】


村の中に 森の中に


はた海に はた陸(おか)に


阿羅漢(こころあるもの)


住みとどまらんに


なべてみな楽土なり


(村落の中であろうと
又それとも森林の中であろうと
海であろうと
又それとも陸であろうとも
聖者のとどまり住むところは
ことごとくめでたき楽土である)
友松円諦 氏 訳



今月の勉強会



今回も
上記テキスト『法句経講話五十選』に
友松円諦氏ご自身の体験談や
独自の視点から
ブッダの教えを理解しやすく
身近なことに譬えて
ご教示してくださっています


以下、私の要約と受け取り


「隣の芝は青い」と言ったり

「居場所がない」と言ったり

人間はいつも

自分の境遇に不満を持ったり

他人をうらやんだりしてしまうけれど

結局のところ

私が住むところ

生きるところは

ここしかないのだ

どんなに不平不満を言おうとも

どこにもいけない

私は今

ここに居る(生きている)んだ

「羅漢(心あるもの)」というのは

「なくてはならぬ人」という意味である





会社に不満がある

貰っている月給に不満がある

では会社から貰っている月給に

ふさわしい仕事をしているだろうか

月給以上の仕事をしていれば

会社も必ず大事にしてくれる

月給を与えることを嫌がらぬ

少しでも会社に損をさせないよう

少しでも会社に得をさせようと

そんな思いで働いている人は

どんなところに勤めても

そこは「楽土」となる

そういう人を

「羅漢(心ある人)」と呼ぶ








昨今、どこも厳しい状況で
あちこちで「人手不足だ」
と聞く一方で
「就職口がない」と聞く
お互いに求めていることが
すれ違っているのだろう

いつもこの勉強会では
社会の問題に話が波及していく…
今日は…
過去から現在
そして近い未来の社会について
話が及んだ

今話題となっている
ベーシックインカムが導入されると
仕事は、社会は、生活はいったい
どうなるのだろう???と…

今を生き
これからの未来を生きていく
若い人にぜひとも
いっしょにご一考いただきたい
と思った今夜の勉強会だった





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【2024年】

住職紹介

前田健雄(まえだたけお)
真宗大谷派一心寺住職。

1977年名古屋市生まれ。
大谷大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。
真宗大谷派ハワイ開教使として5年間ハワイに赴任。
NPO法人ほがらか絵本畑の理事。
名古屋刑務所篤志面接委員

前田健雄